2/2:さよならのかわりに
平成最後の今日という日に、彼と会いました。
初めて会ったハンバーガー屋さんに行ったりするのはどうだろうか、とか色々考えたんだけど、永遠の別れではないし、多分そういうの好きじゃなさそうだなと思って、提案するのはやめておいた。
気の利いたプレゼントも渡したかったんだけど、どれもピンと来なくて、何にも買えなかった。1日半も探してたのに。
そう、初めて会ったのはお互いの中間の距離にあるハンバーガー屋さんでした。
彼は口数が多い人ではないので、沈黙が苦手な故に喋りまくってたら、挙動不審な変な奴だと思われてたらしい。
まさかこの日の、食レポと稟議の話が印象に残ってるとはね。あの日の自分、ナイスよ。
いいなと思った人ほど連絡は続かないし、ポツポツ会って終わっちゃうパターンが多かったので、彼も例外ではないと思っていました。
ただ、家が近いこともあって、ご飯に誘ってもらったり、会う頻度が増えていきました。
今日の夜、ご飯行ける?ってラインが来た時は緊張しすぎて震えてた。会社の食堂で。
そんな初々しい時期もあったんだよ。
家具買いに連れて行ってもらったり、年末にアウトレット行ったら風邪もらっちゃって年始早々に高熱出してお見舞いに来てくれたり。
豪雪の日に迎えに来てくれて、車の中でずっと手を温めてくれたり、一緒に厄払い行って袈裟を着たまま外に出ちゃったり、恵方巻きを一緒に食べたり。
feelcycleやラウンジ、クラブ、映画のええ席、これまで知らなかったことをたくさん教えてくれて、たくさんの初めてを経験させてくれたり。
お誕生日をお祝いしてもらったり、お祝いしたり。
入院した時もお見舞いに来てくれたり(病気ばっかしてるな)。
お泊まりしたり、台湾から帰国した日に空港まで迎えに来てくれたり。
一緒に服も選んだよね。コーディネーター楽しませてもらいました。
たまに喧嘩とか言い合いしちゃったり。
字がとっちらかってるとか言われたり、文句言うなって言ったら文句じゃない!って怒られたり。
ギャルごっこしたり、アパレル店員とかBAのモノマネしたり、クランベリージュースとかエレベーターの扉とか、関西弁あいうえおで盛り上がったり。男の子やなっ
この約1年半、たくさんの思い出が出来ました。
まだこっちの世界でちゃんとした付き合いをしたことがない自分にとっては、全てが新鮮でした。
恋人らしいことをたくさん経験させてくれました。
色んな物をもらって、もちろん嬉しかったけれど、自分のために時間を割いてくれたことが一番ありがたいことなんだと感じています。
こんなにも、一人の人間に対して愛しい気持ち、嬉しい気持ち、楽しい気持ちを抱いたことがあっただろうか。
その反面、悲しい、寂しい、苦しい、悔しい、嫉妬、そんな気持ちも嫌というほど味わいました。
嫌いになりそうなこともありました。
一緒に過ごす中で、我慢しなければならないことや、考え方や好みを変えなければならないこともありました。
自分なりにだけど、好きな人だからこそ自分を変える努力が出来たのだと思います。
高飛車な自分だから、簡単に相手の言う通りになんてなりませんもの。
色々あったけれど、今となれば全てひっくるめて、人として、心も体も満たされたような気がします。
彼は「お互いの存在も、一緒に過ごしたこともいつかは忘れてしまうんだよ」とよく言っていた。
25年しか生きていない自分にとって、この1年半はかなり濃厚だったので、そんなことはあり得ないし、少なくとも自分は忘れないと言い返していた。
だけど、もしかしたら本当に忘れてしまうかもしれない。
でも、自分の体に刻み込まれた気持ちや経験は一生残る。
別に会社の上司や親ではないけど、一緒にいたことで少なからず人として成長することもできたと思う。
もし忘れてしまっても、自分の体や心の中のどこかで、この1年半は生き続けると思います。
世間一般的に許される関係ではなかった。
この関係に固執しすぎて、結果的に期限付きの関係となったとは言え、東京を出るという"きっかけ"が出来るまでピリオドを打てなかった。
こんな綺麗事をつらつらと書いてるけど、ベースがダメなんだから、と全否定する人もいると思う。
ただ、過ぎてしまった時間をどうこうできる訳ではないので、これからどのようにして前向きに進んでいくのかを考えなければならないのだと思います。
初めての彼氏とは良い別れ方ではありませんでした。
ありがとうも、好きな気持ちも、何も伝えられなかった。
あの時から時間が止まっていて、ずっと前に進むことが出来なかった。
でも、彼にはちゃんと、ありがとうと伝えることができました。
大好きだった。今も大好き。
だから、したいことも、行きたいところも、たくさんある。時間が許す限り一緒にいたい。
だけど、ありがとう、またねをちゃんと言えたので、心残りはありません。また会えるし!
ちゃんと前を向いて、次の一歩を踏み出せます。
新天地でステキな彼氏を見つけて、仕事も頑張って、ちゃんと幸せになります。
わがままをたくさん言ってしまって、嫉妬したりムカついたりして酷い態度を取ってしまって、ごめんなさい。
愛想を尽かされても仕方ないくらいだったのに、それでも一緒にいてくれて、ありがとう。
こんな俺を好きになってくれて、たくさんの時間を共にしてくれて、本当にありがとう。
やっぱり誰にも敵わないです。
これまで会ってきた人の中で、いや、比べてはならないくらい、素敵で魅力的な人でした。
本当に、本当に、幸せでした。
そして、心から、大好きでした。
ありがとう。
Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならのかわりに
またね!